福岡市内各店の新着情報
2020年3月 コロナウィルス蔓延防止のための政府による自粛要請に基づき大学の卒業式中止が起きています。
それに伴い『卒業時衣裳(袴レンタル)』の予約キャンセルが生じる事態も起きています。
この事態においても弊社ではお客様に『レンタル約款通りのキャンセル料金請求(8日前までのキャンセルで20%のキャンセル料金)』を行っております。
本当に心苦しい思いをしながらもキャンセル料金をいただいております。
お客様から『コロナウィルスのせいでのキャンセルであって、自分で希望しているわけではない』、『この状態でキャンセル料金を請求されるのは納得がゆかない』などのご意見もいただいております。
お客様のお気持ちとして当然のことだと思います。
過去にお客様が重い病気にかかって卒業式に出席できないなどのケースではキャンセル料金をいただかない場合もありました。
にもかかわらず、今回弊社では苦渋の決断ではありますが、『キャンセル料金をいただいて』おります。
なぜそうするのか。。。社員の生活や仕事を守る必要があるからです。
不本意ながら卒業式衣裳レンタルをキャンセルしなければならないお客様に、その義務はないであろうというご意見が出てくることも当然承知しております。
他社ではキャンセル料金を取られなかった。というケースもあるでしょう。
そんなものは経営者が努力をするべきものであろうという意見もあるでしょう。
ただ、私たちの業種においては経営者が社員を守れる範囲には限界があるのも事実です。そのため社員の生活や仕事を守るために『キャンセル料金』をあらかじめ設定し、提示しているのです。
卒業式の袴レンタルは1年に1度しか発生しません。その1度がなくなれば、私たちに収入が生じるのは1年待つしかなくなるのです。しかも、その際に2年分の収入が上がるわけでもありません。なくなった1度を取り返すにはどんなに頑張っても5年10年と待たなければならないのです。
経営者自身はどんな我慢も厭いませんが、その環境においても社員が働き続けられる環境は最低限作らねばならないため、弊社ではあらかじめこのキャンセル料金に関する約款を作成しています。
私たちがキャンセル料金を設定し、お客様に事前提示している目的は『勝手にキャンセルする人へのペナルティー』でもなければ、『自己都合なんだから払うべき違約金』でもないのです。
私たちの業種においてはリスクを回避するため、守らなければ成り立たないのがこのキャンセル料金に関する事項を記入したレンタル約款なのです。
ご理解いただけるかどうかわかりません。
本当にほんとうに勝手な話かもしれませんが、何卒ご理解いただけることを願います。
余談ですが、弊社ではご予約時にレンタル約款をお客様と交わします。
他社ではこのような約款はないかもしれません。この約款は弊社創業当時に創業者である私が持ち込みました。
約20年前、弊社を新規創業する前の私は『旅行業界』に勤めておりました。
旅行業界には旅行業法があり、その趣旨に則った『約款』をお客様に交付しなければなりません。
旅行業務主任者の資格を得るにはこの業法と約款を理解していなければならず、当時の私も『悲願だったこの業法と約款が出来上がることで旅行業界の地位が向上した』『業法によって旅行業界で働く社員の地位が確立・安定した』と、教わりました。薫陶を受けました。
カタチのないサービスを提供する仕事という点において、旅行業と貸衣装業は似ています。
この仕事を始めるにあたり私は『働く社員の地位を守りたい・確立したい』と思い、旅行業を真似て約款を作りました。
皆様の困難な状況の中、このような話を持ち出すのが適切かどうかはわかりません。
ただ、皆様にお支払いいただくキャンセル料金によって日常生活を救われる弊社の社員は、必ずお客様の気持ちに寄り添います。
不本意で不幸な卒業環境に置かれたお客様の立場に立って、せめて何かのお役に立ちたいと考えています。
この私の申し出が正しいのかどうか・・、反省すべき点があるのかもしれません。
ツイッターにも要約を出しておきます。どのような否定的なご意見でも構いません、可能な限りご意見もください。
https://twitter.com/katotaste/status/1234852415918223362
有 限 会 社 藍や
代表取締役 加藤 純