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『はれのひ』問題から考える

成人式当日から半年近く経った6月下旬になってようやく、『はれのひ』の元経営者が逮捕されました。

しかし、逮捕容疑は銀行に対しての詐欺容疑であり、被害者にとっては何の解決にもなっておらず、詳しい情報もまだもたらされていません。

今後明らかになるのかどうかわかりませんが、私なりに分析して消費者の方々に正しい知識を身に着けていただき、今後このような事件の起きないようしてゆきたいと考えました。

また、知識不足から今回の事件をきっかけに『成人式不要論』まで声高に唱える勘違い有識者も表れる始末。

今回の問題を提起にして、これから数回にわたってそんな勘違いや誤解を解くための情報提供を行ってまいりたいと思います。

まず、1回目の今回は『どうすれば被害を防げる?』です。

その前に知っておいていただきたいのは、私がマスコミ報道等でとても『違和感』を感じる『振袖の販売・レンタル業者』という表現です。

『はれのひ』は振袖販売業者であって、振袖レンタル業者ではありません。

そもそも冷静になって考えていただければわかりますが、レンタルは商品の回転率が上がらなければ利益に直結しないビジネスモデル。販売と両立すれば在庫商品が売れ残り、利益が相反して、ビジネスが成り立ちません。

『でも、現に両立している業者があるではないか?』と、反論されそうですが、どちらも行っている業者は販売業者なのです。

『???』となりますよね。

レンタル価格が商品仕入れ原価を上回っている場合があると考えたらいかがでしょう。

簡単ですよね。商品がお客様のものになるか、販売者に却ってくるかの違いだけで、販売業者さんにとっては【販売(レンタル)価格 - 仕入れ価格 = 利益】なのです。これなら、利益が相反することはありません。

今回の被害者たちからは『五十数万円の振袖を購入したのに。』とか、『二十数万円のレンタル料金を払ったのに』と、いう話が普通に出てきます。レンタル料金で二十数万円ですョ。弊社でもっともクオリティの高いレンタル商品の2倍以上です。最も安い価格のレンタル商品の10倍以上です。冷静になってみると、いくらなんでもおかしな話ですよね。

さて、ここからが本題です。

以前の『はれのひ問題を考える』でも書いたように、今回の事件は通常の呉服販売店の倒産です。レンタル業者の倒産の場合には商品はあるので、お客様が成人式当日のサービスを受けられない可能性は考えにくいです。

毎年たくさんの呉服店が倒産していますが、倒産理由は圧倒的に『販売不振』です。販売不振の業界なのです。

販売不振の業者が多くの広告宣伝費をつぎ込んでも販売不振は変わらないどころか、経営は間違いなく悪化します。

ポイント1 ・・・ 頼まれてもいないパンフレットが送られてきたり、頼んでもいない電話がかかってくる業者は要注意です。

販売不振の業界で確実に生き残る業者は、口コミだけでもお客様を獲得できる業者。堅実に経費削減しながら経営を行っている業者です。

 

『はれのひ』は報道されているように成人式の数か月前にはすでに経営破綻しています。まともな経営者であればこの時点で倒産の手続きを行うはずです。

また、いくら隠そうとしても前撮りの写真撮影の時点で注文した振袖が出来ていないために、お客様に気づかれるはずです。

ここで注目したいのが前撮り以降、成人式までの間、購入された振袖のお預かりを行っていたということ。

1枚の振袖をあたかもお客様の振袖であるかの如く、複数のお客様の前撮りで使っていた可能性があります。しかも、この振袖は元々レンタルのお客様が予約していた商品である可能性も考えられます。もし、本当に行っていれば、詐欺罪に当たるかもしれません。

ポイント2 ・・・ 購入した振袖は業者任せにせず、自宅でしっかり保管すること。

振袖販売業者のほとんどは注文生産ですが、お客様の注文から2~5か月程度で振袖は出来上がります。出来上がった振袖は面倒でも自分で保管しましょう。

また、お支払いは注文時に全額支払うのではなく、申込金程度に留め置き、商品引き取り時に残金を支払うようにしましょう。

 

【レンタカー<=>自動車販売店】でも【賃貸マンション<=>分譲マンション】でもそうですが、レンタルと購入はそもそもお客様の目的も業界のジャンルも違います。

振袖だっておんなじです。

購入希望される場合には、振袖販売店(呉服店)へ行くべきですし、レンタルを希望される場合にはレンタル業者(貸衣装店)へ行くべきです。

購入するつもりだったけど高すぎるので、レンタルにするか?とその場で妥協して決めるなんてありえないでしょう。

 

ポイント3 ・・・ 購入するのか、レンタルするのかは事前に家族で決定したうえで、それぞれの専門店へ行きましょう。

 

次回は『成人式の意義と報道による誤解』について書いてみます。


このブログ記事について

このページは、藍やが2018年6月28日 18:46に書いたブログ記事です。

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